仮想通貨とは何か?ーこれだけは知っておきたい現代のお金基礎知識
仮想通貨とは、何やら怪しいものなどと思っていませんか?
確かに「仮想通貨を盗まれた」とか「仮想通貨で損をした」などという人もいます。
けれども、それは他のお金(法定通貨である紙幣や貨幣)でも同じです。
仮想通貨(デジタル通貨)は便利なので、今後ちゃんと規制もでき、もっと使われるようになってきます。
お金の一種である仮想通貨について知っておきたい内容・メリット・デメリットなどをお伝えします。
お金(貨幣)について
お金(貨幣)とは何か?
お金のない時代は、他の人が持っている物が欲しい場合、物々交換していました。
物々交換では、交渉相手が欲しい物を得られなかったり、物が腐ってしまうこともあります。
もっと便利に物を交換できるようにと交換媒体の主として誕生したのがお金です。
※物々交換もしていましたが、大きな石に取引した物を記述しておく「記帳」をしていました。
3つのお金の定義
お金(貨幣)には、3つの定義があります。
- 『交換の媒体』・・・物と物を等価交換する手段。商品やサービスの取引において決済する。
- 『価値の尺度』・・・商品やサービスの価値を表示する。
- 『価値の保存』・・・対価として得ることができたお金の「状態」。価値貯蔵の手段。
お金の種類
お金といえば、身近にある100円玉などの硬貨や1000円札などの紙幣を思い浮かべることが多いかと思います。
でも、それだけではありません。
日本の紙幣や硬貨だけでなく、ドルやユーロなど外国の通貨もお金の種類です。
また、預金も証券や債券、クーポン券もお金の種類です。
デジタル通貨
お金の実物を手に取ることのできる物理貨幣に対し、デジタル通貨は、オンライン上で取引できる通貨です。
最近では広く使われるようになってきたSuicaやnanakoもiTunesギフトカードやAmazonギフトカードなどもデジタル通貨です。
ビットコインなどの仮想通貨もデジタル通貨です。
暗号通貨
暗号通貨は、仮想通貨の中でも、暗号化により取引の安全性が確保されています。
ゲームの中で使われるコインなどは、暗号化されていない仮想通貨です。
けれども、日本で日常的によく使われる言葉としては、仮想通貨と暗号通貨は同じ意味としてよく使われています。
デジタル通貨も、仮想通貨と同じ意味で使われることが多いです。
ビットコインは、1番最初にできた暗号通貨です。
ビットコイン以外の暗号通貨のことをオルトコイン(またはアルトコイン)といいます。
暗号通貨の種類は2,000以上ありますが、更に増え続けています。
暗号通貨の種類として、ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)などがあります。
暗号通貨は、銀行などの中央を介さず、インターネットを通じて個人同士で直接取引できます。
けれども、最近では国や地方や銀行なども暗号通貨を発行する動きがあります。
暗号通貨は、ブロックチェーンという技術により、安全で正確に取引できるようになっています。
ブロックチェーンは、暗号通貨だけでなく、他の様々なシステムにも使われ始めています。
決済について
お金の支払いをすることを決済といいます。
決済の方法には色々とありますが、大きく分けると次の2つになります。
・現金決済・・・現金で支払うもの
・預金決済・・・銀行振込・クレジットカード・nanaco・Suicaなど、実物のお金を持っていなくても預金から支払えるもの
現金以外での決済が増えてきていますが、今後は更に仮想通貨による決済が増えてきます。
ビッグカメラがビットコイン決済できるようになったのは、記憶に新しいです。
ニチガスなどの公共料金もビットコインで支払えるようになりました。
大手企業や大手金融機関(三菱UFJ・みずほ・三井住友)の中には、リップル(システム)での決済ができるようシステム構築中のところもあります。
すでに、中国では現金を持ち歩かず、スマホで買い物が主流になっています。
今後は、日本でもスマホでQRコードを読み込んで支払い、仮想通貨もチャージできるカードによる支払いなどが増えてくるでしょう。
仮想通貨のメリットは?
送金手数料が安い
直接相手に送金となり、仲介業者を通さないので仮想通貨交換業者への手数料だけで済み、1%程度です。
これは、カード会社の手数料よりもずっと安いです。
送金されたかどうか確認できる
送金した側と受け取り側の双方で、お互いにいつ・いくら送金されたのかを確認することができます。
リアルタイムに送金される
交換所のトラブルなどなければ、ほぼリアルタイムに送金されます。
外国人が利用しやすい
外国のお金を国内で使うことはできません。
ですから、国内で交換する必要があります。
交換所は、それほど数多くあるわけではありません。
また、手数料もかかります。
外国人観光客はわざわざ両替するよりもビットコインを使いたい人が多いので、外国人向けにお店を利用されやすくなるメリットもあります。
2020年のオリンピックに向けて、外国人向けに仮想通貨で支払いできるものができてくるでしょう。
国際送金が安くて早い
国際送金するには、下記のようにいくつもの銀行を経由し、それぞれ手数料が取られます。
送金依頼する銀行⇒日本銀行⇒海外中継銀行⇒受取銀行
また、数日から10日くらいかかることもあります。
途中でトラブルがあっても、どこで止まっているのか銀行へ問い合わせして聞いてもらわなければわかりません。
どこかでお金が行方不明になり送金できない事もあるそうです。
私も海外から多額送金した時に、間違って受け取れない銀行にしてしまったトラブルで送金されず、ヒヤヒヤしたことがあります。
仮想通貨なら国など関係なく、手数料も安くて、ほぼリアルタイムに送金されます。
預金封鎖に対応できる
2013年3月16日、ギリシャの金融危機により、キプロス共和国では銀行から預金が引き出せなくなる預金封鎖がありました。
そのときビットコインを持っていた人は、ビットコインで物を購入することができたので助かりました。
日本でも、1946年に預金封鎖および新円切替えあり、またいつ預金封鎖が起こるかわかりません。
今の日本では、預金封鎖が起きてもカードを持っていれば日常生活には困らないかもしれません。
でも、預金封鎖では、預金に対して何%かを税金として徴収されてしまいます。
ですから、日本円以外の資産を持つことを資産を守るために考慮しておいた方が良いです。
ビットコインなどの仮想通貨は、国が管理しているわけではないので、そのまま持っていれば課税対象となりません。
預金封鎖対策として、ある程度のお金を仮想通貨で持っていても良いでしょう。
偽物が作られることがない
日本のお札の技術は高いので、偽札はそれほど多くありません。
しかし、海外では偽札が多く出回っています。
紙のお札では、偽札が作られてしまうのです。
仮想通貨は、どうでしょうか?
ビットコインを例にあげると、偽物を作られることは、まずありえません。
ブロックチェーン技術と帳簿がインターネット上に公開されて数多くあるため、安全が守られているのです。
仮想通貨のデメリットは?
価格変動が激しいと使いずらい
紙幣などは価格が決まっていますが、仮想通貨はその時々で変化します。
多少の変化なら良いですが、大きく変動する場合には使いずらいですね。
犯罪に使われる可能性がある
個人のアドレスからアドレスへ送られるので、誰が送金し受け取ったのかわかりません。
個人情報がわからないので、麻薬や拳銃の取引などに使われる可能性もあります。
実際にビットコインなど、そのような取引にも使われています。
ただし、国が暗号通貨を発行すれば、価格も一定にしたり、個人情報を載せることもできます。
その場合には、逆に犯罪や不正をなくすことができます。
ただ、それは通貨をデジタル化しただけで中央集権に変わりなく、厳密には仮想通貨ではなく暗号通貨ですね。
送信先アドレスを間違えると戻ってこない
直接個人間でアドレス指定して送金する場合、送り先のアドレスを間違えると大抵はエラーで返ってきますが、たまたまそのアドレスが存在するとそこへ送金されてしまいます。
そして、その送金先のアドレスは誰かわからないので、そのまま戻ってくることはないでしょう。
アドレスを入力して送金する場合には、細心の注意を払いましょう。
お店などで決済する場合には、わざわざアドレスを手入力することはないので大丈夫です。
詐欺に使われやすい?
仮想通貨について知らない人が多いので、「儲かる」という話を持ち出して詐欺を働く人もいるようです。
確かに、昔は1万円もしなかったビットコインが今では70万円超しています。
5年で70倍以上になっているわけです。
他の仮想通貨、イーサリアムやリップルも何十倍にもなっています。
けれども、実際に上場したけれど、そんなに上がらずに消えていく仮想通貨もあります。
もう「仮想通貨を持っていれば儲かる」という時代は終わったという人もいます。
実際に今でも仮想通貨のトレードなどで儲けている人はいます。
FXと一緒ですね。
仮想通貨に限らず、お金のトラブルや詐欺はあります。
見極めが重要です。
仮想通貨に関連した法律―日本で施行された改正資金決済法とは?
日本では、2017年4月より改正資金決済法が施行されました。
この改正資金決済法第2条第5項で仮想通貨が定義されています。
資金決済に関する法律 第二条 5
この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移することができるもの
これを簡単にいうと
仮想通貨は、お金(通貨)の一種であり、金融機関などの中央管理者を介さずに直接相手にオンラインで支払いできるものです。
これでやっと日本でも仮想通貨をお金として認められたことになります。
ヨーロッパ・アメリカ・中国・韓国などでは、もっと早くから仮想通貨が広まり使われています。
日本は、これらの国々と比べてかなり遅れています。
日本には、全銀システムという銀行間の取引や決済を行うためのシステムが確立しています。
それが便利なため、あえて仮想通貨を使おうとしないのではないでしょうか。
2017年度からは、仮想通貨で得られた利益に対しても税金が発生することになりましたね。
217年12月になってから通達がありました。
仮想通貨の確定申告をどうしたらよいのか困って調べてみたら、無料オンラインソフトで便利な物が色々と出ていました。
私は、多くの取引所に対応している無料のソフトtax@cryptactを使いました。
とてもわかりやすい説明があり、簡単便利で助かりました。
仮想通貨については、まだ規律がはっきりしていないので、今後どんどん法律も改定されていくでしょう。
まとめ
仮想通貨は、お金の一種です。
法定通貨と異なり、中央管理者を介さずに直接相手にオンラインで支払いできます。
ブロックチェーン技術により、安全で正確に取引できます。
仮想通貨の代表的なものはビットコインで、それ以外をオルトコイン(アルトコイン)といい、2,000以上も種類があります。