NHKスペシャル マネー・ワールド~資本主義の未来~第1集「お金が消える!?」

2018年10月6日21時より、『NHKスペシャル マネー・ワールド~資本主義の未来~第1集「お金が消える!?」』が放送されました。
これは、私の所属する3つの仮想通貨が関係している団体の上の人からそれぞれ「見るとためになるよ」と教えてもらった番組です。
見逃してしまった方のために、私の心に残った大まかな内容をお伝えします。
出演者
【司会】
爆笑問題(太田光・田中裕二)
【ゲスト】
経済学者 安田洋祐
IT企業社長 佐藤航陽
【語り】守本奈実
※敬称略
NHKスペシャルのサイトより番組の内容
爆笑問題とともに、最前線の「マネーの秘密」に迫る経済エンターテインメント・シリーズ第3弾。初回は、世界中から現金が消えていくキャッシュレス化の“深層”に切り込む。ポイントカードやモバイル決済、仮想通貨やブロックチェーンの拡大・・・。いま私たちの暮らしから、どんどん現金が姿を消している。スウェーデンでは、街中からATMが撤去され、現金流通量の割合は1%台にまで激減。中国では、のべ13億人がスマホ決済を利用、ヨーロッパでも高額紙幣の廃止が進むなど、キャッシュレスへの動きが加速。その理由は単に「便利だから」だけではなく、現在の貨幣の“限界”も指摘されている。一方、国家に代わって、世界中のユーザー自らが信用を支える「仮想通貨」や、お金という概念そのものを見直し“時間”の交換に着目した「時間通貨」など、史上類を見ない“ネクスト・マネー”も次々と生まれ始めた。人類誕生後、貝殻、硬貨、紙幣へと進化を続け、世界経済の血流を生み出してきた「現金」は、このまま消えてしまうのか?そして未来のお金の姿とは?
NHKスペシャルより
現金(お札)が上手く使われていない!?
日本では、多くのお金を持っている人々は、現金(預金)を貯め込んでいます。
個人だけでなく企業もいざという時のために現金(預金)を多く持っています。
日本で使われていない現金を一万円札で高く積み上げると、大気圏を突破して宇宙まで行ってしまうそうです。
日本では、現金を持っていることに価値を感じ、安心する人が多いのですね。
けれども、それでは経済は活性化しません。
お金は使われるからこそ、経済が上手く回るのです。
現金をたくさん刷っても、それが使われずにどこへ行ってしまったのでしょうか?
犯罪などに使われる地下経済に向かってしまっています。
メキシコで覚醒剤の密売人の豪邸に現金が2億ドルも隠されていたこともありました。
ベネズエラのハイパーインフレ
ベネズエラでは、コーラ1本を購入するのに、いくつもの札束がないと購入できません。
銀行に行っても現金が引き出せないほどお金が足りなくなっています。
人々は、食料を物々交換して窮地をしのいでいます。
貧困層が多く、食べる物に困る人が増えています。
なぜそうなったのでしょうか?
ベネズエラでは、原油価格の下落による経済危機に陥りました。
減った収入を補うため、ベネズエラ政府がお金の量をどんどん増やしたのです。
お金の信用は失われ、お金の価値が急落。
物を買うのに大量のお金が必要となったのです。
そして、紙幣を刷っても刷っても足りない状況になってしまいました。
こういった問題はベネズエラだけでなく、トルコでもインフレが起きています。
ブラジル・アルゼンチンでもお金の価値が下がって信用が失われてきています。
現金の問題点
現金は匿名性があり、履歴が残らないので、誰がどう使ったという追跡ができません。
地下経済で使われると税金を取れないので、国の財政に負担がかかります。
個人がお金を使わないのは、将来への不安から。
企業がお金を使わないのは、投資先がないから。
キャッシュレス化の進むスウェーデンの状況
スウェーデンではキャッシュレス化が進み、ほとんど現金を使うことがありません。
どんな場所でも、どんなに少額でもカードやスマホを用いて支払いをしています。
人の手に長さ12ミリの ICチップ を埋め込む人も増えています。
電車に乗るときにも、その手に埋め込まれたチップをかざすだけです。
他の支払いをするときにも、その手のチップをかざすだけです。
埋め込むのも痛くなく、人体に影響もありません。
スウェーデンでは、国策としてキャッシュレス化を進めた結果、買い物をする人が増え、 経済が活性化 しました。
取引のスピードも早くなり、銀行強盗も激減しました。
ドイツの使用期限付きの「スタンプ紙幣」
世界恐慌に陥っていた時代、人々はお金を使わず経済が回らず悪循環に陥っていました。
そこで、お金に使用期限をつけた「スタンプ紙幣」が考案されました。
手続きの煩雑さから世界に普及しなかったのですが、今また最新のテクノロジーで蘇ろうとしています。
ドイツのトラウンシュタインでは、地域通貨「キームガウア」のカードを4000人が使っています。
これは、ユーロと1対1で両替し、データとして入金されます。
使わなければ年6%目減りしていきます。
このようなカードをなぜ利用するのでしょうか?
それは、両替した額の3%が加算され、利用者の好きな団体や施設に寄付することができるのです。
ですから、社会貢献に賛同すると使う人が増えています。
両替したお金を期限までに使おうとするので、経済が活性化するのです。
金本位制
お金の信用を支えたのは、かつて「金」でした。
ドイツ連邦銀行の地下には、金の延べ棒がずらりと並んでいます。
金は全て集めると1辺が21mのサイコロ分しかないと言われています。
その希少性が信用となり、金と交換できる兌換紙幣が経済を支えてきました。
しかし、経済規模が拡大するにつれ、国は無限に印刷することのできる不換紙幣に切り替え、お金の信用は国家が支えることになりました。
仮想通貨
仮想通貨とは、インターネット上でやり取りされるデジタル通貨です。
現金は、国がお金の価値を保証しています。
仮想通貨は、数学・テクノロジーによりお金の価値が保証されています。
決められたルールにより発行枚数も一定です。
国境の概念もない独自の通貨のため、大企業の倒産や為替、貿易摩擦などにより価値が左右されることもありません。
仮想通貨は、信用をテクノロジーが支える仕組みです。
現金などは、国や保証機関が潰れたら終わりですが、仮想通貨は中央機関がないのでその心配はありません。
現金は、匿名性が高く盗まれたら終わりです。
仮想通貨は、取引記録が残るので、現金よりも安全です。
ただ、現金は金庫に入れて守るということが普及していますが、仮想通貨の場合、まだどうやって守ったら良いのかが普及していないので危ないと思われているのです。
仮想通貨は、「投機」を目的としてやり取りされているものがほとんどです。
もっと仮想通貨が信頼を得て安定してくると、一般の人々にも使われるようになりなじんできます。
そうすれば、お金の代わりにもなり得るのでは、ないでしょうか。
アメリカや中国では国のお金の力が強いので、国として仮想通貨を使うことをあまり好ましく思っていません。
日本では、他の国と比べて仮想通貨に対して積極的です。 日本は、仮想通貨の可能性にかけている珍しい国のひとつです。 ブロックチェーンという新たなテクノロジーで日本経済をV字回復させたい という考えがあります。
時間通貨
「時間通貨」という概念が出てきました。
例えば、編み物を教えて「タイムコイン」という時間通貨をもらい、その「タイムコイン」を使って英会話を習うなど。
お互いのスキルやサービスを誰もが同じ一定の「時間」で交換しあうものです。
現金はなくなる?
「 技術的には間違いなく現金はなくなる 」と発言していました。
現金は、追跡されたくないというアンダーグラウンドな人々のツールになっています。
現金が暗号通貨になれば、取引が誰の目にも明らかになり、また追尾できるようにもなるので安心です。
だからといって現金がすぐになくなるわけでなく、色々なシステムが共存していくようになるでしょう。
マネー新時代の到来
従来の通貨は、キャッシュレス化によって、取引を更に加速させていくでしょう。
その裏で、使った人のデータが集められ分析されます。
経済を回すための試みは、極限まで進むでしょう。
同時に個人をつなぐ全く異なる価値観の通貨が次々と生まれてきます。
新たな通貨が巨大なうねりとなるのか、我々はマネー新時代の入り口にいるのです。
従来のお金が資本主義を支持し続けるのか、新たなお金が台頭するのか、これからが楽しみです。
まとめと見解
もうすでに中国ではキャッシュレス化が進んでいるにもかかわらず、中国政府は仮想通貨に対してよく思っていないのですね。
それに対して、他の国々と比べるとキャッシュレス化の遅れている日本が、仮想通貨に対して前向きに取り組もうとしているというのは意外でした。
このような内容を天下のNHKが放送するということは、国を挙げてキャッシュレス化、および仮想通貨を一般の人々にまで浸透させることを目的としているのではないでしょうか。
日本の経済を活性化させるためには、これからはデジタル通貨が必須となるでしょう。
けれども、ビットコインなどの仮想通貨は、決済することを考慮して作られていません。
決済のために作られた仮想通貨は、XRPおよびRIAです。
RIAはトークンを簡単に発行することができ、ある国でも発行することが決まっています。
トークンを発行するのがどこの国なのかは、まだ発表されていません。